葉の擦れ合う音が忍び笑いのように耳に残った。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
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草
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前後の文章を含んだ引用
......根の先を引きずりながらコスモスを部屋に運び入れると、肩を大きく揺すってそれを一遍に放り投げた。コスモスは宙で一本一本に散らばり、ゆっくりと畳の上に落ちていった。葉の擦れ合う音が忍び笑いのように耳に残った。さえは土まみれの着物を気にする様子もなく、無言のまま坐り込んで根を千切り始めた。「どうしたの。」 夕闇に沈んでしまう前の、色を失った半透明の光が彼女の背中を包ん......
単語の意味
忍び笑い(しのびわらい)
忍び笑い・・・忍んで(=気付かれないように)笑うこと。人の気づかれないように、声を立てずに笑うこと。
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