線路沿いの国道から一本南寄りの細い道に入ると、人のざわめきが急に遠のいてゆく。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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路地・小道
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......特別な場所だ。ここはわたし専用の見張り塔で、わたしだけの純を見ることができる。彼はわたしの真中を、一直線にはみださないで貫いてゆく。 駅前の商店街を通り抜けて、線路沿いの国道から一本南寄りの細い道に入ると、人のざわめきが急に遠のいてゆく。五月の今の季節なら、純の練習が終わってからプールを出てこの駅に降りる頃でも、まだ昼間の光の名残が漂っている。 砂場と水飲み場だけの公園や会社の独身寮やさびれた感......
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僕は庭のブロック屛をのりこえて「路地」に下りた。 「路地」とは言っても、それは本来的な意味での路地ではない。正直なところ、それは 何とも 呼びようのない代物なのだ。正確に言えば道ですらない。道というのは入口と出口があって、そこを辿っていけば然るべき場所に行きつける通路のことだ。 しかし「路地」には入口も出口もなく、それを辿ったところでブロック屛か鉄条網にぶつかるだけのことだ。それは袋小路でさえない。少くとも袋小路には入口というものがあるからだ。近所の人々はその小径をただ便宜的に「路地」と呼んでいるだけの話なのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
道幅は一メートルと少しというところだが、垣根がせりだしていたり、いろんなものが路上に置かれていたりするせいで、体を横に向けないことには通り抜けられないところも何ヵ所かある。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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足が凍った土にとられて、スッテンコロリンと転がった
沢村貞子 / 貝のうた amazon
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