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茶畑の 畝 が整然と拡がる風景を見渡す。何という肥沃な大地だろうとちえ子は思った。  六年前、初めて恋人の故郷を訪れたときには少し意外な気がしたものだが、いま考えてみれば、いかにも世間知らずの夫を 育んだ土地である。一点の 翳りもなく、ただひたすら整然とした、涯しもない大地。豊饒で、そのくせどこか無意味な感じのする、描かれた絵のような風景。
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:32% 作品を確認(amazon)
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田舎(いなか)
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前後の文章を含んだ引用
......るからに百年も開けられたことのないような代物だった。 だが踏み台に乗って錠を解くと、それはあんがい造作なく開いた。地平に沈む夕陽がなだれこんだ。 袂をかざして、茶畑の畝が整然と拡がる風景を見渡す。何という肥沃な大地だろうとちえ子は思った。 六年前、初めて恋人の故郷を訪れたときには少し意外な気がしたものだが、いま考えてみれば、いかにも世間知らずの夫を育んだ土地である。一点の翳りもなく、ただひたすら整然とした、涯しもない大地。豊饒で、そのくせどこか無意味な感じのする、描かれた絵のような風景。 足元の柿の木の下から、ひそみ声が聴こえた。葉叢の間に夫と舅の頭が見えた。(俺、よう言えんよ。なあおやじ、頼むって。俺とちえ子とじゃ埒があかんでさあ) 夫と舅は......
単語の意味
意外(いがい)
肥沃(ひよく)
陰り・翳り(かげり)
風景(ふうけい)
意外・・・予想と現実がとても違っていること。
肥沃・・・土地に栄養があり、農作物がよく育つこと。「肥沃な大地」
陰り・翳り・・・1.太陽や月の光が雲などでさえぎられ、空が少し暗くなること。一時的に曇ること。また、その部分。
2.暗い印象を抱くこと。「陰りの見える表情」
3.よくない兆し「景気に陰りが見える」
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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