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その時、夕暮れ特有の、風景が黄金色一色に染まる一瞬が訪れて、ユニフォームも二人の背中も空も風も、全部が色の底に沈み込んでいった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......息遣いとスパイクが砂を蹴る音が混じり合って、二人の背中を覆い隠そうとしていた。わたしは何度もまばたきして、二人をもっとよく見ようとした。まつげがガラスを撫でた。その時、夕暮れ特有の、風景が黄金色一色に染まる一瞬が訪れて、ユニフォームも二人の背中も空も風も、全部が色の底に沈み込んでいった。 野球部が通り過ぎた後、グランドの砂がうっすら吹き上がって、K君と彼女の背中はもうなかった。 それからしばらくして、K君から「また遊びにおいでよ」という電話をも......
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風景(ふうけい)
背中(せなか)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
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