海添いの桜並木、海の上からも、薄紅 い桜がこんもり見えていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:42% 作品を確認(青空文庫)
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桜
並木道
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前後の文章を含んだ引用
......がっていた。 夕刊にはもう桜が咲いたと云うニュースが出ていた。尾道の千光寺の桜もいいだろうとふっと思う。あの桜の並木の中には、私の恋人が大きい林檎 を噛 んでいた。海添いの桜並木、海の上からも、薄紅 い桜がこんもり見えていた。私は絵を描くその恋人を大変愛していたのだけれど、私が早い事会いに行けないのを感違いして、そのひとは町の看護婦さんと一緒になってしまった。ベニのように、何でもガム......
単語の意味
薄紅(うすべに・うすくれない)
薄紅・・・1.(うすべに・すくれないと読んで)薄い紅色。薄いくれない色。淡紅。
2.(うすべにと読んで)薄くつけた口べにや頬べに。
2.(うすべにと読んで)薄くつけた口べにや頬べに。
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アーケエドのように枝を延ばした欅(けやき)並木
上林 暁 / 野「上林暁全集〈第3巻〉小説(3)」に収録 amazon
建物の明るみから前へ逆に照り返されて威厳を帯びた銅像が、シルエットになって見える。銅像の検閲を受ける銃剣の参差 のように並木の梢 が截 り込みこまかに、やはりシルエットになって見える。
岡本かの子 / 母子叙情
(緑道)両脇には植えられたばかりの緑が整列している。まだ添え木がされている木々はまるで作り物みたいに綺麗で、綺麗過ぎて、緑の匂いがどこからも漂ってこない。まだ若い葉っぱたちが微かにこすれる音だけが、かろうじて聞こえていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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春たけなわの生き物たちの命の息づかいとうごめきが草地一面に満ちる
柴田錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
見上げるとピンクの花びらがはらはら降ってきた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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私の眼はひとりでに下へ落ちた。径の傍らには種々の実生 や蘚苔 、羊歯 の類がはえていた。この径ではそういった矮小 な自然がなんとなく親しく――彼らが陰湿な会話をはじめるお伽噺 のなかでのように、眺められた。
梶井基次郎 / 筧の話
しばらく走行すると、東名高速が見えてきた。 数珠 繫 ぎになった道路灯の白銀色の光が、場違いな華やかさを見せて左右の 遥か 彼方 まで伸びている。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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