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(詩を書く)文字を並べて書く。《…略…》私はかいこのように熱心に糸を吐く。只、何のぎこうもなく、毎日毎日糸を吐く。胃のなかがからっぽになるまで糸を吐いて死ぬ。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:74% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......に書けると云うだけだ。一文にもならない。活字にもならない。そのくせ、何かをモウレツに書きたい。心がその為 にはじける。毎日火事をかかえて歩いているようなものだ。 文字を並べて書く。形になっているのかどうかはぎもんだ。これが詩と云うものであろうか。――恋草を力車に七車、積みて恋うらく、わが心はも。昔のえらい額田 なにがしと云う女のひとがうたった歌も出鱈目 なのであろうか……。私はかいこのように熱心に糸を吐く。只、何のぎこうもなく、毎日毎日糸を吐く。胃のなかがからっぽになるまで糸を吐いて死ぬ。 一文にもならぬ事が、ふしあわせでもなければ、運の悪い者ときめてかかる事もない。希望のない航海のようなものだけれども、どこかに浮島がみえはしないかとあせるだけだ......
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鉛筆を、ひたすらに動かす。 炭素粒子が、紙の繊維に吸着していく。描線が重なり、白かったスケッチブックがしだいに黒くなっていく。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
ありありと眼に映るように描写する
夏目 漱石 / 『土』に就て 長塚節著『土』序 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
(恐怖のドキドキ)心臓が胸の中で鋭い信号音をたたき出している。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
電気にかかったように鯱張 って
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「言葉・話」カテゴリからランダム5
髪の毛がちらばったような、果敢(はか)ない、細い、鼻糞のような文字
谷崎 潤一郎 / 雪後庵夜話 amazon
恨みつらみを交えた白羽さんの身の上話は長くて、私は途中からほとんど聞かずに時計を見ていた。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
そのような意見( 乃至 はテーゼ)はある種の啓示のように僕の耳に響いた。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
表札に彫られた「にな(蜷)」の漢字は、私の知らない、虫偏の難しい漢字で、なんとなくかたつむりを連想させる字だ。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
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