時々田端の駅を通過する電車や汽車の音が汐鳴りのように聞えるだけで、この辺は山住いのような静かさだった。つくづく一人が淋しくなった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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静けさ・静寂
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前後の文章を含んだ引用
......后の詩を読んでいると、つくづく旅が恋しくなってきた。五十里さんは引っ越して来てからいつも帰りは夜更けの一時過ぎなり。階下の人は勤め人なので九時頃には寝てしまう。時々田端の駅を通過する電車や汽車の音が汐鳴りのように聞えるだけで、この辺は山住いのような静かさだった。つくづく一人が淋しくなった。楊白花のように美しいひとが欲しくなった。本を伏せていると、焦々 して来て私は階下に降りて行くのだ。 「今頃どこへゆくの?」階下の小母さんは裁縫の手を休めて私を見てい......
単語の意味
辺・畔(ほとり)
辺・畔・・・1.すぐ近くの場所。近辺。そば。あたり。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
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静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで、真空のような静かさだ。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
ボールの弾む音が、不規則なときを刻むほか、あたりは溶け入るようにしずかだった・・・。
石坂洋次郎 / 青い山脈 amazon
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(音楽鑑賞)美声のヴィブラートが、一本の蠟燭の明かりの揺らめきのように、彼女の存在を灯していた。 段々と人心地がついてくるようだった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
元気なおばさんの声が、グラデーションで沈んでくる
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
トタン屋根にそうぞうしくあたる雨脚
林芙美子 / 新版 放浪記
雑多なざわめきの音が、閉じ込められた暗い校内に海鳴りのように遠く近く響いていた。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
(静けさとは)あるべきものがあるべき場所に納まり、一切手を加えたり、削ったりする余地などなく、昔からずっと変わらずそうであったかのような、そしてこれからも永遠にそうであり続ける確信に満ちた状態。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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