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(丘を回り込むと)女の背のような優美な側面は、いつか意外に厳しく狭い正面に変り、三角の頂上から、両足をふんばったように、二つの小尾根を左右に投げ落していた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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丘陵・小山・小高い丘
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前後の文章を含んだ引用
......た。 丘の煙は恐らく牧草を焼く火であろうが、我々の所謂「狼煙」にかなり似ていた。しかしなんの合図であろう。 私は焦立った。右手の丘はますます迂回されつつあった。女の背のような優美な側面は、いつか意外に厳しく狭い正面に変り、三角の頂上から、両足をふんばったように、二つの小尾根を左右に投げ落していた。そしてそのあわいの小さな窪みに、肱掛椅子の形の玄武岩を支えていた。先の方の尾根を廻れば、病院のある谷間へ出るかも知れない。私は足を早めた。 また林に入った。中で......
単語の意味
意外(いがい)
尾根(おね)
厳めしい・厳しい(いかめしい)
優美(ゆうび)
背(せ)
意外・・・予想と現実がとても違っていること。
尾根・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い線の部分。山稜(さんりょう)。
厳めしい・厳しい・・・雰囲気が立派すぎて、威圧感さえ感じる。甘えや妥協など許されない感じで、近寄りにくい。
優美・・・上品で、控えめな美しさを持っているさま。美しさの中にも落ち着きがあり、好ましい感じを与えるさま。
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岩を露出した別の丘が、 屏風 のように立ちふさがっていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
星空の広がりの底を、なだらかに起伏した丘の稜線が黒く這う
浅川 純 / 社内犯罪講座 amazon
一つの丘があった。両側を細い支流に区切られて独立し、芒が馬の 鬣 のように、頂上まで 匍 い上っていた。その形を私は 何故か女陰に似ていると思った。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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竹西 寛子 / 長城の風 amazon
山岳は屏風を立て廻したように、その高い街道の位置から東の方に望まれる。
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