壁掛け時計が時を刻む音だけがしていた。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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室内(空間)が静か
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前後の文章を含んだ引用
......詰まらせた。けれども、今はただ、そっとしておくことしか出来なかった。 独りになってから、彼女はダイニング・テーブルに肘をついて項垂れ、しばらく目を瞑っていた。 壁掛け時計が時を刻む音だけがしていた。 それから、顔を上げると、食器棚に飾られた父と遼の遺影を見つめ、家族四人の写真に目を遣った。 彼はもういない。そして、遺された二人の子供は随分と大きくなった。 ......
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室内(空間)が静かの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
居間から台所に行き、納戸と浴室と洗面所と地下室を調べ、二階の部屋のドアを開けてみた。誰もいなかった。沈黙だけが油のように部屋の隅々にしみこんでいた。部屋の広さによって沈黙の響きかたが少しずつ違っているだけだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
部屋の中はどこまでもしんとしていた。耳を澄ませると、その静寂にはいくつかの意味あいが含まれているように天吾には感じられた。ただ物音ひとつしないというだけではない。沈黙自体が自らについて何かを語っているようだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
一歩一歩の歩みもはばかられるほどに静かな家だった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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トタン屋根にそうぞうしくあたる雨脚
林芙美子 / 新版 放浪記
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