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唐突に電話が切れた。ぼくは受話器を手にしたまま、長いあいだ眺めている。受話器という物体そのものがひとつの重要なメッセージであるみたいに。その色やかたちになにか特別な意味が込められているみたいに。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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電話を切る・終話
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......んだと思う。包丁を研いで、石の心をもって。中国の門をつくるときのように、象徴的に。わたしの言うこと理解できてる?」「できてると思う」「ここに迎えにきて」 そして唐突に電話が切れた。ぼくは受話器を手にしたまま、長いあいだ眺めている。受話器という物体そのものがひとつの重要なメッセージであるみたいに。その色やかたちになにか特別な意味が込められているみたいに。それから思いなおして、受話器をもとに戻す。ぼくはベッドの上に身を起こし、もう一度電話のベルが鳴るのを待ちつづける。壁にもたれ、目の前の空間の一点に焦点をあわせ、......
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電話を切る・終話の表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まだ話していたい気持ちに軽くピリオドを打つように受話器を置く
落合 恵子 / センチメンタル・シティ amazon
受話器の中からククッと乾いた音が響いて切れてしまった。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
(公衆電話)「君にはそれができる、天吾くん。俺には――」 そこで十円玉が切れた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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遠く川の方へ転がるように走って行く
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
「電話」カテゴリからランダム5
まるで鉈(なた)をふるって吊り橋を落とすみたいに(一方的に電話を切られる)
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
電話のベルが鳴った。ベルの音が頭の中に進入してきて、緑色のギザギザした光を放つ。
池澤夏樹 / 真昼のプリニウス amazon
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