一ぱいの酒が早くも昭子の体を熱くした。周囲の空気が急に肉色の芳香を含んでいるように感じられた。なにかわけのわからない 陥穽 に官能がグングン引き込まれて行くような……。
阿刀田 高 / 狂暴なライオン「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:48% 作品を確認(amazon)
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酒に酔う・酔っ払う
性的興奮・性的欲望
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......あける。その点、女は漫然と行って漫然としゃがむ。その判断の差が毎日毎日積み重なって……。あなたの場合は……」「噓、噓よ」「あはははは」 須藤は屈託なく笑った。 一ぱいの酒が早くも昭子の体を熱くした。周囲の空気が急に肉色の芳香を含んでいるように感じられた。なにかわけのわからない陥穽に官能がグングン引き込まれて行くような……。 昭子はワイン・グラスをかざし、その濁りを通して須藤の顔を見た。須藤はかすかに含み笑っている。それが男のコケットリイなのだろうか。 昭子の人生に急に飛び込んで来......
単語の意味
芳香(ほうこう)
気が急く(きがせく)
含む(ふくむ)
体(からだ)
芳香・・・芳(かぐわ)しい香り。いい匂い。素敵な香り。
気が急く・・・早くしようと気持ちがあせる。
含む・・・1.口の中に入れて噛んだり飲み込んだりせず、そのままの状態のこと。
2.ある気持ちを態度に示したり、なんとなくにおわす。「憂いを含んだ表情」
3.ある範囲の中にその要素が入っていること。「サービス料を含んだ値段」
2.ある気持ちを態度に示したり、なんとなくにおわす。「憂いを含んだ表情」
3.ある範囲の中にその要素が入っていること。「サービス料を含んだ値段」
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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ブラウスの下にある彼女のなめらかな身体を想像すると、口の中が渇いた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
全身に暖かい 淫靡 な血が湧き始めた。それは、ゆったりとした大陸の河のように流れ続けて股間を満たして行った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
彼女が上等な絹の靴下や下着を選んでいるところを見ていると、わたしはなんだかすうっと息苦しくなってきます。額に汗さえにじんでくる。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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蝶の羽ばたきのように軽やかで可憐な愛撫
松浦理英子 / 親指Pの修行時代 amazon
僕は今君と性交している。僕は君の中に入っている。でもこれは本当に何でもないことなんだよ。どちらでもいいことなんだ。だってこれは体のまじわりにすぎないんだ。我々はお互いの不完全な体を触れあわせることでしか語ることのできないことを語りあっているだけなんだ。こうすることで僕らはそれぞれの不完全さをわかちあっているんだよ
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
(初めての性交体)邦彦はまち子の体をまさぐった。ずっと昔からその 術 を知っていたようにふるまえることが不思議だった。まち子が自分をひたすら待ち望んでいることまで、はっきりわかるのだった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
彼は、始終、彼女のことを考えて胸を熱くしていた。そして、ようやく会えると、 堪らえていた熱い 塊 りは溶け出すのだった。《…略…》彼は溶けた熱い想いの中に自分を浸すことでしか、もう自らを確認できなかった。その中にぽっかりと浮かんだ心臓は、活発に動いて血を送り出し、彼はますます深みにはまって行くのだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
もし私が男でその機能があったら、抱いていただろう。もし私が妊婦だったら、大きなおなかにそっと両手を添えただろう。そういう感情を瞬間、強く抱いた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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