櫟林（くぬぎばやし）や麦畠や街道や菜園や、地形の変化に富んだその郊外は静かで清（すが）すがしかった。

タヌキがたまに出るところに住んでいる

都会から田舎に来ようが、都会と田舎、どちらの育ちであっても、自分の生まれ育った場所の文化ばかり信仰して、新しく触れるものに拒否反応をしめすのは、感性のにぶっている田舎者だと思う。

住人の大半は六十歳以上だ。生活用品を売っている店は一軒しかない。郵便局も学校もない。切手を買ったり小包を出したりしたければ、手紙を配達しにくる郵便局員に頼む。宅配便は、中地区まで行って出すしかない。ちょっとした買い物をしたいときは、山をいくつも越えて久居という町まで車で行く。 　不便を絵に描いたような場所だ。

三階以上ある建物なんて学校しかなかった

星空の広がりの底を、なだらかに起伏した丘の稜線が黒く這う

隕石落下により、神社を中心とした広範囲が瞬時に壊滅した。家屋や森林の破壊に留まらず、衝撃により地表ごと大きくえぐられ、直径ほぼ一kmにも及ぶクレーターが形成された。さらに五km離れた地点でも一秒後にはマグニチュードの揺れが伝わり、十五秒後には爆風が吹き抜け、町の広範囲が甚大な被害に見舞われた。最終的な犠牲者は五百人以上にのぼり、それは町の人口の１／３にあたる。

空と海が交わるあの奇跡の直線

時々、すごい景色を見ると、見せてやりたいな、と思い、日本恋しさとあいまってとても会いたくなります。

広い道へ出た。路幅は六七間、両側に軒の低い 家 が並んでいた。それが一層この道を広々と、又明るい感じに見せた。