(古マンション)風も通らず陽も当たらず、一年じゅう梅雨どきのように 暗鬱 な感じがするのは、自分が 徒 らに齢を食ったせいではあるまい。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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古い建物の佇まい
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前後の文章を含んだ引用
......事務所で、残りも大方は外人女のタコ部屋になっている。 吾郎が上京してきたころには、このあたりもまだホステスとバーテンばかりが住む町で、それなりの明るさはあった。風も通らず陽も当たらず、一年じゅう梅雨どきのように暗鬱な感じがするのは、自分が徒らに齢を食ったせいではあるまい。 店屋物の器がどの部屋の前にも堆く積まれた廊下を歩き、事務所のインターホンを押すと、ドアの上に取り付けられた監視カメラに向かって吾郎は笑いかけた。「吾郎でえす。......
単語の意味
暗鬱(あんうつ)
徒(あだ)
暗鬱・・・気持ちが暗く、憂鬱なこと。
徒・・・働きかけたのに、期待はずれに効果がないさま。役に立たないさま。むだ。
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当主で二十何代目というだけあって、おそろしく古い建物
吉川英治 / 銀河まつり
四階建ての雑居ビルは築四十年以上。ひび割れが目立つ煤けた煤けた外壁には触手のようなツタがびっしりとからみつき不気味な雰囲気を醸し出している。今日も入り口に猫の死骸が転がっていたが陰気な風景にオブジェのようになじんでいる。
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
家はくたびれていた。 鉄平石の門もモルタルの壁も、白く 粉 を吹いていた。能筆が自慢の重役が贈ってくれた大きな表札は、雨風に 晒されささくれて、履き古しの下駄に見えた。
向田邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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家がちんまりと緑にもぐって建っている
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
何の気どりもなく、てらいもない店
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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