日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

（船が）が小刻みに揺れている。大きな波紋がじわじわと岸辺に向かって撓たわんでいく。

宮本輝 / 泥の河「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　ページ位置：31%　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

しおりに登録する

前後の文章を含んだ引用

......らく眺めていた。舟の家が朝焼けの中で暗く沈んでいた。晋平が寝返りをうったのでそちらに視線を移し、もう一度ぼんやりと川を眺めた。老人の姿はなかった。やました丸だけが小刻みに揺れている。大きな波紋がじわじわと岸辺に向かって撓んでいく。　信雄は頬杖をついて事のなりゆきを考えていた。そして、これは大変なことになったと思った。「お父ちゃん、お父ちゃん」　信雄は晋平を揺り起こすと言った。「やました丸......

単語の意味

撓む（たわむ）

撓る・撓う（しなる・しなう）

撓む・・・まっすぐのものが力を加えられて、そり曲がった状態になる。

撓る・撓う・・・１．弾力があるため、折れずに、そり曲がった状態になる。撓む(たわむ)。
２．頼りなさそうにナヨナヨする。自らを支える力もなさそうに弱々しくする。

ここに意味を表示

波の表現・描写・類語（水面・水中・水辺のカテゴリ）の一覧ランダム５

波の加減で噴水のようにしぶきをあげる流水

加賀乙彦 / 海霧　amazon

とめどなく動く波の戯れ

有島武郎 / 或る女

（山のような大波）見る見るもり上った山の、恐ろしく大きな斜面に玩具（おもちゃ）の船程に、ちょこんと横にのッかることがあった。と、船はのめったように、ドッ、ドッと、その谷底へ落ちこんでゆく。今にも、沈む！　が、谷底にはすぐ別な波がむくむくと起（た）ち上ってきて、ドシンと船の横腹と体当りをする。