夢というよりも、もう少し現実感の色濃いものであった

クッキリと思い出すことが出来るほどの鮮明な夢

その夜の洋一郎は、薬も飲まず、ぐっすりと眠ることができた。自由にみちた夜。夢までがバラ色に彩られているようだった。

そこで目が覚めた。 　夢だった、というのがわかるまで、少しかかった。 　何が来るかわからないままでまだどきどきしていたし、冷たい風の感触の余韻も胸にひんやりと残っていた。 　そのせいか、すっきりしたいい目覚めだった。

ここはどこ？」 　私はたずねた。 「ここは君の頭の中で、空港とカリフォルニアと外国のイメージが混じった場所だよ。」

耐えられないほどの眠気に襲われて、邦彦はとぼとぼ道を戻って行った。ポケットに両手を突っ込んだまま、道端に落ちていた 空 缶 を 蹴った。空缶の転がっていく音が響いた。それはからからといつまでも邦彦の心の中で鳴った。

体を投げ出すように横たえる

寝小便のお蔭で、太古の大洪水の夢を見る。鼻が詰まったお蔭で、溺れ死にかかった少年時代の苦しみを今一度、夢に描かせられる。

（夢から覚める）──あなたはわたしの弟なの？──そう尋ねようとした時、夢は裂けた。

（悪夢）汗だくになって目覚める