油気のない髪をひっつめの銀杏返 しに結って、横なでの痕 のある皸 だらけの両頬 を気持の悪い程赤く火照 らせた、如何 にも田舎者 らしい娘
芥川龍之介 / 蜜柑 ページ位置:21% 作品を確認(青空文庫)
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田舎者
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前後の文章を含んだ引用
......未練がましく後 へ倒れて行った。私は漸 くほっとした心もちになって、巻煙草 に火をつけながら、始めて懶 い睚 をあげて、前の席に腰を下していた小娘の顔を一瞥 した。 それは油気のない髪をひっつめの銀杏返 しに結って、横なでの痕 のある皸 だらけの両頬 を気持の悪い程赤く火照 らせた、如何 にも田舎者 らしい娘だった。しかも垢 じみた萌黄色 の毛糸の襟巻 がだらりと垂れ下った膝 の上には、大きな風呂敷包みがあった。その又包みを抱いた霜焼けの手の中には、三等の赤切符が大事そうに......
単語の意味
引っ詰め(ひっつめ)
結う(ゆう)
頬(ほお・ほほ)
引っ詰め・・・すべてに髪の毛を後ろで無造作に縛った髪型。
結う・・・1.紐や糸で縛る。結ぶ。
2.髪を結んで整える。束ねて、形を整えて結ぶ。
2.髪を結んで整える。束ねて、形を整えて結ぶ。
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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田舎者の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
都会の臭味から免疫されて、過敏な神経や過量な人為的知見にわずらわされず、強健な意力と、強靱 な感情と、自然に哺 まれた叡智 とをもって自然を端的に見る事のできる君のような土の子
有島武郎 / 生まれいずる悩み
梶井基次郎 / 雪後
顔は女給風で、それも海近い田舎から出て来たあぶらのギラギラ浮いた顔
林芙美子 / 新版 放浪記
姿が女中風で、それも山国から来たコロコロした姿
林芙美子 / 新版 放浪記
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「人の印象」カテゴリからランダム5
いばったりよくしゃべったりするタイプじゃないからリーダーぽくはなかったが、グループ全体が彼女を中心に動いていることは間違いなく、彼女に安易に近づこうとする人間をはねつける親衛隊の役割もあった。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
エジプトのミイラのように、両脚に厚い繃帯を施されて、身動きもできない
獅子文六 / 沙羅乙女
道路だけがいやに広く、それが町の印象を一層寒々しいものにしていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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