しみひとつない、清潔なカーテンだった。穴の部分の小さい白いカーテンリングはプラスチック製で、どういうわけか、その輪はわたしに、朝食べてきたばかりのベーグルパンを思い出させた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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カーテン
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前後の文章を含んだ引用
......に指を挿入している医師との間に、その先、何かが起こるなどとは想像だにせず、わたしは屈辱感に耐えながら、目の前に下げられている桜色のカーテンの襞を凝視していた。 しみひとつない、清潔なカーテンだった。穴の部分の小さい白いカーテンリングはプラスチック製で、どういうわけか、その輪はわたしに、朝食べてきたばかりのベーグルパンを思い出させた。「機能性子宮出血ですね」と野呂はカーテンの向こう側で、こともなげに言った。「他に異常は見られません。子宮の大きさも、子宮内膜の厚さも正常。筋腫もありません。卵巣......
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カーテンの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
勢いよくカーテンを閉める。カーテンの濃い色が部屋中に淀んで、また夜のようなあやふやさが戻ってくる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
すっかり色がわからなくなってしまったレースのカーテン
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
二人が入るカーテンの中は、窓ガラスごしの冷たい空気が伝わってきて寒かった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
バンガローが切り拓かれた四方へ大ランプの灯の光を投げている。
岡本かの子 / 河明り
いくら拭いても、砂が入って来て艶の出ないという白っぽい、かさっとした縁側
宮本百合子 / 明るい海浜
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