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まるで幾重にもかさねられたベールを抜けて届いてくる音のようにくすんで聞こえた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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小さな音・不鮮明な音
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前後の文章を含んだ引用
......に背が高く見えたし、歩くテンポも僕よりずっと速かった。 風のないせいか、街はしんとしていた。そばを通りすぎていくトラックの排気音や工事中のビルディングの騒音も、まるで幾重にもかさねられたベールを抜けて届いてくる音のようにくすんで聞こえた。彼女のハイヒールの靴音だけがぼんやりとした春の夕暮の大気に規則正しくなめらかな楔を打ちこんでいるようだった。 僕は何も考えずにそんな音に耳を澄ませて歩いていたの......
単語の意味
ベール
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まるで幾重にもかさねられたベールを抜けて届いてくる音のようにくすんで聞こえた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
気配をひそめようとする人間がそれでもたててしまう低い音は家中のどこにいても伝わり
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
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小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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