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酢っぱくって渋くって泡の立つ葡萄酒のような、コクの強い、野蕃な海
梶井基次郎 / 海 断片 ページ位置:43% 作品を確認(青空文庫)
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時化・海が荒れる、波立つ
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前後の文章を含んだ引用
......海なんだ。未 だかつて疲労にも憂愁にも汚されたことのない純粋に明色の海なんだ。遊覧客や病人の眼に触れ過ぎて甘ったるいポートワインのようになってしまった海ではない。酢っぱくって渋くって泡の立つ葡萄酒のような、コクの強い、野蕃な海なんだ。波のしぶきが降って来る。腹を刔 るような海藻の匂いがする。そのプツプツした空気、野獣のような匂い、大気へというよりも海へ射し込んで来るような明らかな光線―......
単語の意味
コク・コク味(こくみ)
コク・コク味・・・濃い深い味わい。いくつかの素材が合わさることで生まれる、味の重なり。味が深く濃くてそれがおいしさにつながっていること。
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時化・海が荒れる、波立つの表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
黒い波の峰と波の谷とがかわるがわる目の前に現われる
有島武郎 / 或る女
山のような五百重 の大波
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
海はつるつるに光って、まるで舞台のセットの上の1枚の黒い布が滑らかに揺れているみたいに見えた。微妙に違う色の空との継ぎ目も、いきいきとはためくパッチワークのように見えた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
海一面、三角波の頂きが白いしぶきを飛ばして、無数の兎があたかも大平原を飛び上っているようだった。
小林多喜二 / 蟹工船
雲とともに変わって行く海の色
梶井基次郎 / 海 断片
「天災・荒れた天気」カテゴリからランダム5
家をゆすって遠いかみなりのような地ひびきをさせ、なにかが通っていきました。
松谷 みよ子 / はと「黒い蝶・うさぎのてぶくろ ほか (松谷みよ子全集)」に収録 amazon
海はまだ大うねりにうねり返っていた。
小林多喜二 / 蟹工船
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