(白昼の月)その無感覚な灰色の岩塊は、まるで目に見えぬ糸にぶらさげられたようなかっこうで、所在なさそうに空の低いところに浮かんでいた。そこには何かしら人工的な雰囲気が漂っていた。ちょっと見たところ、芝居の小道具で使われる作り物の月のように見えた。しかしもちろんそれは本物の月だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 作品を確認(amazon)
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月
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赤銅のような色をした光芒のない大きい月
田山 花袋 / 蒲団 amazon
あの月、大根みたいじゃない? 切り損った薄切りの大根
向田 邦子 / 大根の月「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
空には、月が顔を出していた。 どこかで、よよと、泣いている女の声を、上から傷ましがっているように。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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