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犬は一度にたくさんの子犬を生むんだ。しかも安産でね。《…略…》えんどうの実がさやから弾けるみたいに、気持ちよくぷちぷち、子犬が生まれてくるのかしら
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:50% 作品を確認(amazon)
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子供が生まれる・産声
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......まった。義兄はそれらを、一つ一つ元通りに包み直していた。鈴が微かに鳴っていた。「どうしてこんな所に、犬のスタンプが押してあるんですか」 わたしは義兄に尋ねた。「犬は一度にたくさんの子犬を生むんだ。しかも安産でね。だからこんなふうに、お守りになるんだ」「動物にも、安産とか難産とかの区別があるんですか」「そうみたいだね」「えんどうの実がさやから弾けるみたいに、気持ちよくぷちぷち、子犬が生まれてくるのかしら」「さあ、どうだろう」「お兄さんは、犬のお産を見たことがあるんですか」「ないよ」 義兄は首を横に振りながら答えた。風呂敷の中で、スタンプの犬がじっとこちらを見て......
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子供が生まれる・出産・産声の表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
子ども産むのってすごく痛いんだって。スイカを鼻の孔から出しながら、腰を金づちで殴られるくらい苦しいらしいよ。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
敬慕している人とそのおくさまとの間に生まれる新しい生命、それはわたくしのような運命の女、生胚子を産むことを禁じられた女にとっては、天雷のように抗いようのない神秘な暴力として落ちかかってくるものであった。
大原 富枝 / 婉という女 (1961年) amazon
(新生児)赤ん坊は握り締めていた手を開き、またぎこちなく指を折り畳んだ。爪は理不尽なほどに小さく、青黒く変色していた。私の粘膜を引っ搔いた血が、爪の間で固まって濁っているのだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(新生児)産院の、小舟のような形の透明なベッドに収まった赤ん坊を見た時、自分の中にわいたのは、喜びよりも怖れに近いものだった。生まれてからまだ数時間しか経っておらず、まぶたにも、耳たぶにも、踵にも、さっきまで羊水に浸かっていたふやけた感じが残っていた。目は半ば閉じられていたが、眠ってはいないらしく、大きすぎて身体に馴染まない産着からはみ出た手足を、小刻みに動かしていた。まるで、間違った場所に置き去りにされた不満を、誰かに訴えているかのようだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
犬は一度にたくさんの子犬を生むんだ。しかも安産でね。《…略…》えんどうの実がさやから弾けるみたいに、気持ちよくぷちぷち、子犬が生まれてくるのかしら
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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乾物みたような姿
夢野久作 / ドグラ・マグラ
すさまじい形相で空をつかみ、のたうちまわって死ぬ
真継 伸彦 / 鮫 amazon
血を流して横たわり、しだいに『もの』になって行く母の様子
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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