建築雑誌のグラビアを切り抜いたような優美なキッチン
阿刀田 高 / 来訪者「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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台所・キッチン
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前後の文章を含んだ引用
......のことで訪ねて来たのだ。さもなければこの家で刑事の訪問を受ける事情のあろうはずがない。初江がなにかいけないことをしたのだろうか。「どういうご関係ですか」 刑事は建築雑誌のグラビアを切り抜いたような優美なキッチンを無躾に見渡しながら尋ねた。「あの……一年ほど前に、私、S病院で子どもを出産いたしました。そのときあのかたが……神崎さんが付添いさんで病院に勤めていらして、私、......
単語の意味
優美(ゆうび)
優美・・・上品で、控えめな美しさを持っているさま。美しさの中にも落ち着きがあり、好ましい感じを与えるさま。
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台所・キッチンの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(シンクに置かれた食べ残しの皿)そこには、朝、夫が使った食器が怠惰に積み重なっていた。ガラスのデザート皿にコーヒーカップがしりもちをついて、それにミート皿がもたれている。その隙間にナイフとフォークとティースプーンが刺さっている。わたしは美術作品を眺めるように、しばらく流し台の前に立っている。 半熟卵が一筋流れ出して、皿の縁に回虫のように張り付いている。コーヒーの飲み残しがセロリの切れ端を粘土色に染めている。ヨーグルトが、脳味噌のように固まっている。流し台は〝有機体〟にあふれている。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
棚も壁もレンジフードもべたべたする狭い台所
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
小さな蛍光灯に照らされて、しんと出番を待つ食器類、光るグラス。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
南側のガラス戸からさしこんだ陽が、座敷の半分まではいっていた。その位置に床がのべてあった。早春の明かるい陽に、床は清潔に輝いてみえた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
表の光を透かして色鮮やかに浮かび上がる泰山木と大きな白い花
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
扉を押して一歩入ると甘酸っぱい空気で、広いホールは薄暗い照明だが、人熱れでむせかえっていた
芝木好子 / 慕情の旅(青春の行方) amazon
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