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マッチの火が、 闇 の中で蝶のように舞った。《…略…》父の影が天井にゆらめいている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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揺れる炎・ともし火
ライター・マッチ
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前後の文章を含んだ引用
......灯りが消えた。蝋燭の火が拡がるまでの短い時間の、ひきずり込まれていくような暗黒の中で、信雄はふと死んだ馬車の男を思い出した。彼は手探りで父を捜した。晋平のすったマッチの火が、闇の中で蝶のように舞った。「でっかい鯉が、どないしたんや?」 父の影が天井にゆらめいている。「……僕、でっかい鯉、釣ってみたいわ」「よっしゃ、こんどお父ちゃんが釣ってきたる」「どこで?」「中央市場で」 信雄と晋平はくつくつ笑いながら蒲団の上を転げまわっ......
単語の意味
蝶(ちょう)
蝶・・・1.鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫でガ以外のものを総称。四枚の大きな羽を羽ばたかせひらひらと昼間に飛ぶ。止まった時の羽を直立して閉じる、口先がらせん状になっているなどガと区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に昼間活動する。ひらひらと飛ぶ様子は死者の魂に結び付けられることもある。古名で「かわひらこ」という。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
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千光寺の灯が、山の上で木立の中にちらちらゆれて光っている。
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切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。
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