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林の中は暗く道は細かった。 かしくぬぎ に似た大木の聳える間を、名も知れぬ低い雑木が 隙間 なく埋め、 つたつる を張りめぐらしていた。四季の別なく落ち続ける、熱帯の落葉が道に朽ち、柔らかい感触を くつ うら に伝えた。静寂の中に、新しい落葉が、 武蔵野 の道のようにかさこそと 足許あしもと で鳴った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......同じ谷間へ入る道である。丘越えの道が無論近いが、私は既に昨日から二度往復してその道に飽きていた。目的のない者の気紛れから、私は未知の林中の道を取る気になった。 林の中は暗く道は細かった。樫や櫟に似た大木の聳える間を、名も知れぬ低い雑木が隙間なく埋め、蔦や蔓を張りめぐらしていた。四季の別なく落ち続ける、熱帯の落葉が道に朽ち、柔らかい感触を靴裏に伝えた。静寂の中に、新しい落葉が、武蔵野の道のようにかさこそと足許で鳴った。私はうなだれて歩いて行った。 奇怪な観念がすぎた。この道は私が生れて初めて通る道であるにも拘らず、私は二度とこの道を通らないであろう、という観念である。私は立ち......
単語の意味
雑木(ぞうき)
静寂(せいじゃく)
雑木・・・いろいろな木々。炭や薪にする以外使えない木の総称。
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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