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内気な娘であった。生よりも死の床を幾倍か身に相応 わしいものに思い做 して、うれしそうに病み死んだ。
岡本かの子 / 雛妓 ページ位置:62% 作品を確認(青空文庫)
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照れ屋・引っ込み思案・内気な性格
穏やかに死ぬ(老衰・大往生)
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前後の文章を含んだ引用
...... その弟は、学校を出て船に努めるようになり、乗船中、海の色の恍惚 に牽 かれて、海の底に趨 った。 その妹は、たまさか姉に遇 うても涙よりしか懐かしさを語り得ないような内気な娘であった。生よりも死の床を幾倍か身に相応 わしいものに思い做 して、うれしそうに病み死んだ。 風は止んだ。多摩川の川づらには狭霧 が立ち籠 め生あたたかくたそがれて来た。ほろほろと散る墓畔の桜。わたくしは逸作の腕に支えられながら、弟の医者にちょっと脈を検め......
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照れ屋・引っ込み思案・内気な性格の表現・描写・類語(性格・態度のカテゴリ)の一覧 ランダム5
なんていうか、生活の実体というものが感じられないのね。あなたはまるで自分のことしか考えてないし、真面目な話をしようとしても茶化すばかりだし」 「内気なだけなんだ」と僕は言った。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
ひどくシャイな性格で、三人以上の人間が居合わせる場所では、いつも自分が実際には存在しないものとして扱われることを好んだ
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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穏やかに死ぬ(老衰・大往生)の表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
静かに枯るるがごとく、ひそかに平和に自己の生涯を終える
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
まるで列車が少しずつ速度を落として停止に向かうときのように(生命力の推移は少しずつ下がっていく。《…略…》)父親という列車は徐々にスピードを落とし、惰性が尽きるのを待ち、何もないがらんとした平原の真ん中に静かに停止しようとしている。ただひとつの救いは、車内にはもう、一人の乗客も残ってはいないということだ。列車がこのまま停止しても、そのことで苦情を申し立てる人間はいない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
虫喰いの枯れ木が倒れるように死ぬ
水上 勉 / 雁の寺 amazon
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「性格・態度」カテゴリからランダム5
行商人のもつあの厚顔さ
野間 宏 / 哀れな歓楽「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
家の中には今までに感じなかったような空気が漂い始めている。疎外感にも似た、何となく遠巻きに見られているようなよそよそしい気配が雪見を包んでいる。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
障子の穴から覗くように他人の噂を拾い集めて吹聴する
牧野 信一 / 鬼涙村 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
木山省吾の死を知ったときには、すべてを失ったように慟哭した
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
死ねば私の意識はたしかに無となるに違いないが、肉体はこの宇宙という大物質に溶け込んで、存在するのを止めないであろう。私はいつまでも生きるであろう。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
子鹿の死骸が横たわっていた。完全に白骨化してはおらず、背骨のあたりには斑点模様の皮膚がぼろ切れのように張り付き、投げ出された四本の脚は、息絶える瞬間まで立ち上がろうと苦闘した形のまま、まだ胴体につながっていた。内臓は溶け出し、目は暗い空洞となり、半開きの口からは十分に育ちきっていない小さな歯がのぞいて見えた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
深まりゆく秋の中でもうすでに、友子は死にはじめていた。友子の心にはもう誰のどんな言葉もちゃんと届かず、友子しかいなかった。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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