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午後四時をまだ過ぎたばかりなのに大部屋の中はうす暗く、ミツは窓から洩れる僅かな微光を探しながら本の頁をめくった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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室内に差し込む光
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前後の文章を含んだ引用
......を眼に近づけながら阿部ミツは隣の施療ベッドに横になっている老人のため本を読んでやっていた。そのベッドは一週間前あの空襲の夜、死んだおばはんが寝ていた場所である。午後四時をまだ過ぎたばかりなのに大部屋の中はうす暗く、ミツは窓から洩れる僅かな微光を探しながら本の頁をめくった。「勝呂先生は今日、なし診察に見えんとじゃろねえ。手術でもあるんじゃろうか」彼女は本を膝の上において老人にたずねた。「あんたもあの先生に、よう、相談しなさいよ。前......
単語の意味
微光(びこう)
微光・・・1.微(かす)かな光。弱々しい光。
2.前途へのわずかな希望のたとえ。
2.前途へのわずかな希望のたとえ。
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室内に差し込む光の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
大きな窓から陽がいっぱい入って、テーブルのうえもまぶしい。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
天井の煙抜きから差し入る光の帯がちらちらと埃を舞い輝かせる
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
重い布がまくれると、朝の光が線となってこぼれ出した。「希望」というものをもし絵に描くのなら、こんなふうになるのではないかと思われるほど、光は薄暗い部屋をまっすぐにつきぬけていった。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
レストランの従業員出入口みたいな愛想のないガラス戸
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
玄関のしきり障子は引手から下があらめみたいに裂けて
幸田 文 / 流れる amazon
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
温かく湿った空気、これを通してきらきらと濡れたような日の光
柳田 国男 / 雪国の春 amazon
窓の外には、快晴のめざましいほどに青い空が広がっていた。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
鹿児島湾がきらきらと光るのが見える。そしてその後ろに九州の山々が朝日を浴びつつ、緑の色に塗られていく。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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