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(イニシャルのししゅうがほどける)ふと、爪の先が糸に引っ掛かった。ほんの 微かな一瞬だった。はっと思う間もなく、するすると糸が解けていった。あらかじめ定められた決まりに従うように、りこさんの手つきをなぞるように、アルファベットはごく自然に一本の糸に戻っていった。《…略…》小さな針の穴の連なりだけを残し、私の名前は宙に溶けて消えてしまった。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:93% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......スチームかりこさんの体温か、まだどことなく温かさが残っている気がした。 私はハンカチを裏返した。りこさんの刺繡が、表と等しく裏も美しいことを私はよく知っていた。ふと、爪の先が糸に引っ掛かった。ほんの微かな一瞬だった。はっと思う間もなく、するすると糸が解けていった。あらかじめ定められた決まりに従うように、りこさんの手つきをなぞるように、アルファベットはごく自然に一本の糸に戻っていった。気がつくと、ついさっきまで目の前にあったはずの一文字がなくなっていた。何が起こったのか確かめずにはいられない気持で、残りの一文字の糸に爪を掛けた。ただ同じことがもう一度起こったに過ぎなかった。小さな針の穴の連なりだけを残し、私の名前は宙に溶けて消えてしまった。「音符が平凡すぎるとなると、さて……」 りこさんが更に図案集をめくる。ページのめくれる微かな風に乗って、どこからともなく埃が舞い上がる。私はよだれかけの紐を蝶々......
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手付き(てつき)
手付き・・・1.動作をするときの手のかっこう。手のようす。また、手の動かし方。
「付き」は、体に関する名詞の下に付いて、そのものの様子や格好をあらわす。「顔付き」「腰付き」など。
2.江戸時代、郡代・代官・寺社奉行などに直属して事務をとった下級役人。
3.(「お手付き」の形で)カルタ遊びなどで、誤って間違った札に手をつけること。手付け(てつけ)。
4.(「お手付き」の形で)主人が侍女・女中などと肉体関係を結ぶこと。また、その相手の女。手付け(てつけ)。
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茶の湯は礼法以上のものである。それは芸術であり、折り目正しい動作をリズムとする詩であり、精神修養の実践方式なのである。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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