なまぬるい草いきれのこもった風が吹く。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:97% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
風
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......響々の鳴りをひそめる。 (八月×日) 高架線の下をくぐる。響々と汽車が北へ走ってゆく。 息せき切って、あの汽車は何処へ行くのかしら、もう、私は厭だ。何もかも厭だ。なまぬるい草いきれのこもった風が吹く。お母さんが腹が痛くなったと云う。堤に登って、暫 くやすみなさいと云ってみる。征露丸を飲みたいと云うけれど、大宮の町には遠い。 じりじりと陽が照る。 よくもこんなに......
単語の意味
草熱れ(くさいきれ)
草いきれ(くさいきれ)
草熱れ・・・夏の強い日差しによって、草の茂みがむっとした熱気を出すこと。また、その熱気。
草いきれ・・・夏の強い日差しを受けて、草の茂みから立ち上る、ムッとする熱気。
ここに意味を表示
風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一本道にかかると、荒い幅広い風が幾里も先の山脈からその一筋道に吹き下した。
宮本百合子 / 伸子
なまぬるい草いきれのこもった風が吹く。
林芙美子 / 新版 放浪記
なびいたように草木がお辞儀をする
芝木 好子 / 女ひとり amazon
このカテゴリを全部見る
「風」カテゴリからランダム5
旗がハタハタと風にはためく音が聞えた。
小林多喜二 / 蟹工船
海からあがって来た風
梶井基次郎 / 城のある町にて
同じカテゴリの表現一覧
風 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ