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泥はやや浅くなっていた。それからまた二足、殆んど 腿 まで深く入って、次の足は 棚 のように高い、固い土盤に乗った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:58% 作品を確認(amazon)
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ぬかるみ・どろどろ
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前後の文章を含んだ引用
......く息が聞えた。さし延べた私の左手は前に行く者の剣鞘に触れた。思わずつかむと、その者は、「煩せえな。附くな、附くな」 と低く鋭くいった。伍長の声だと私は思った。 泥はやや浅くなっていた。それからまた二足、殆んど腿まで深く入って、次の足は棚のように高い、固い土盤に乗った。土手の底の一部であった。私は銃を下した。 一間ばかり高い土手の草に、人影の蠢く気配が感じられた。がさがさと草につかまって、登って行くらしかった。 国道は闇の中に......
単語の意味
腿・股(もも)
腿・股・・・足の膝より上部の、腰につながった部分。大腿(だいたい)。上腿(じょうたい)。
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ぬかるみ・どろどろの表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
泥はますます深く、 膝 を越した。片足を高く抜き、重心のかかった他方の足が、もぐりそうになるのをこらえ、抜いた足で、泥の上面を掃くように、大きく外に弧を描いて前へ出す。その足がずぶずぶと入る勢に乗って、後に残した足を抜き、同じように前へ出す。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
まだびしゃびしゃするような土の上
有島武郎 / 或る女
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霧が山をしずしずと降りてくる
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
ちぎれ雲の影が山の日向を後から後から忙しげに通り過ぎるような日和
永井 龍男 / 一個・秋・その他 amazon
坂の上から見ると、坂は曲がっている。刀の切先のようである。
夏目 漱石 / 三四郎 amazon
大きな島がその水平線に灰色の姿を見せていた
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「なおさないと損するわよ。」 「多分ね。でもね、ポンコツ車と同じなんだ。何処かを修理すると別のところが目立ってくる。」
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
チガイ棚の上にきちんと屯営の整理棚を見るような奇妙な丹念さで片づけている。
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
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