明日の体力のゲージを貯めるために彼は眠る。

彼にはそれに抵抗しようとする気持は全くなかった、そしてなるがままに溶け込んで行く快感だけが、何の不安もなく感ぜられるのであった。

まどろみの中へ

麻酔がかかったように眠ってばかりいる。

先に竜一郎の寝息が聞こえてきたとき、まだ少し意識があった。子犬に腕時計をくっつけておくと安心して眠るように、そのリズムは子守歌になって私を包み込んだ。

それは君が妹に対して幼少の時から何かのおりに必ずいだくなつかしい感情だった。 　それもやがて疲労の夢が押し包む。

（睡眠薬が効いているのに上体を起こす）ボンドで床に張りつけられた体を、べりっとはがすような痛みがあった。 　私はじりじりと体を起こした。意識はほとんどなかった。幽体離脱みたいに（体験したことないけど）、心だけがはっきり、ふうっと起き上がったようでもあった。 　目は閉じていた。

僕はホテルのベッドに横になって受話器を持ったまま天井を眺めていた。海の底に寝転んで魚の影を数えているみたいな気分だった。いったい何匹数えれば数え終ったことになるのか見当もつかなかった。

（昼寝）ぐうぐう大いびきで寝てしまった

疲労のはて、欲も得もなく眠りこけた。