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(牛乳ビンから出られないハエ)飲みっ放しを日なたのなかへ置いておく。すると毎日決まったようにそのなかへはいって出られないやつができた。壜の内側を身体に付著した牛乳を引き摺 りながらのぼって来るのであるが、力のない彼らはどうしても中途で落ちてしまう。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......った。そうした外敵からは彼らは安全であったと言えるのである。しかし毎日たいてい二匹宛ほどの彼らがなくなっていった。それはほかでもない。牛乳の壜 である。私は自分の飲みっ放しを日なたのなかへ置いておく。すると毎日決まったようにそのなかへはいって出られないやつができた。壜の内側を身体に付著した牛乳を引き摺 りながらのぼって来るのであるが、力のない彼らはどうしても中途で落ちてしまう。私は時どきそれを眺めていたりしたが、こちらが「もう落ちる時分だ」と思う頃、蠅も「ああ、もう落ちそうだ」というふうに動かなくなる。そして案の定 落ちてしまう。それは......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
日光に撒かれた虻 の光点が忙しく行き交う
梶井基次郎 / 冬の日
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川端 康成 / 雪国 amazon
この虫の、灰色の統絹(ぬめぎぬ)のような毛の一面に生えた、妙に小さな頭
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
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決して飛ぶことのできない溝のようなもの
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漁師が網を張るように、塙の帰宅を待ち伏せ
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
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小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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