(木の根が養分を吸う)毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆく
梶井基次郎 / 桜の樹の下には ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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根・根っこ
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前後の文章を含んだ引用
......は貪婪 な蛸 のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚 めて、その液体を吸っている。 何があんな花弁を作り、何があんな蕊 を作っているのか、俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。 ――おまえは何をそう苦しそうな顔をしているのだ。美しい透視術じゃないか。俺はいまようやく瞳 を据えて桜の花が見られるようになったのだ。昨日、一......
単語の意味
毛根(もうこん)
水晶・水精(すいしょう)
毛根・・・生えている毛の、皮膚より内側にある部分。地肌の中にある、髪の元となる組織のこと。根元部分のふくらんだ所が栄養を受けとり、細胞分裂が行われて毛が伸びる。
水晶・水精・・・クオーツ(Quartz)の和名。大きく結晶した石英(せきえい[=二酸化ケイ素が結晶してできた鉱物])のこと。普通は無色透明で、不純物が混ざると色が付く。硬度7。4月の誕生石。
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根・根っこの表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
木の根が静脈のように小道に浮き上がっている
三浦 綾子 / 続 氷点 amazon
(木の根が養分を吸う)毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆく
梶井基次郎 / 桜の樹の下には
切り崩された赤土のなかからにょきにょき女の腿 が生えていた。
梶井基次郎 / 雪後
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「植物」カテゴリからランダム5
練絹へルビーを包んだような小花を綴るビナンカズラ
岡本 かの子 / 花は勁し amazon
直立した 花梗 の上に、固く身をすぼめた花冠が、音楽のように、ゆるやかに開こうとしていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
梢の悲鳴が渦巻く白い闇の奥で甲高く鳴る
日野 啓三 / 抱擁 amazon
花瓶にはダリアに似た花がいけられていた。機転のきかない中年女性を連想させるいかにも鈍重な花だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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