聴き取れるのは自らの心臓の鼓動だけだった。その鼓動を聞いているうちに、自分が卑劣な盗賊になって、夜中に他人の家に忍び込んでいるみたいな気がしてきた。物陰に隠れ、息を殺して、家人が寝静まるのを待っているのだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂
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金槌を打つ音が、どこからかかすかに聞こえる。 真昼と夕方のはざまの時間、この町は静かすぎて、ずっと遠くの音までが風に乗って耳に届く。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
あたりは息苦しいまでの沈黙に包まれていた。人の声もなく、吠える犬もいない。寄せる波も、吹く風もない。どうしてこれほどまですべてが深く静まり返っているのだろうとミュウは不思議に思った。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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鼓膜が変になるような静けさ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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