ペンキの剥 げた帆船が、へさきの牛の鼻穴のようなところから、錨 の鎖を下していた
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
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前後の文章を含んだ引用
......の工合で煙が波とすれずれになびいて、ムッとする石炭の匂いを送った。ウインチのガラガラという音が、時々波を伝って直接 に響いてきた。 この蟹工船博光丸のすぐ手前に、ペンキの剥 げた帆船が、へさきの牛の鼻穴のようなところから、錨 の鎖を下していた、甲板を、マドロス・パイプをくわえた外人が二人同じところを何度も機械人形のように、行ったり来たりしているのが見えた。ロシアの船らしかった。たしかに日本の「蟹工船......
単語の意味
帆船(はんせん)
牛(うし)
帆船・・・帆(ほ、船の柱に張られた布)に風を受けて走る船。帆掛け船(ほかけぶね)。
牛・・・ウシ科の哺乳動物の総称。古来より、耕作などの労働力としても使われる重要な家畜。体は頑丈で頭に二本の角を持ち、尾は細い。草などを食い反芻(はんすう)する。和牛は黒色のものが多く、朝鮮牛は赤褐色で小形。肉・乳は食用、皮・骨・角などでもさまざま作られる。
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ハンドルを切るたびに、ダッシュボードに置かれた十円玉が右に左に移動した。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
神戸のほうからやって来た電車が架線に青い火花をたてていた。火花は猛烈なスピードで武内の前を過ぎ去って行った。夜の 虚空 を飛んで行くそのひんやりした閃光を見たとき、武内は鈴子に逢おうと思った。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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