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やや湿地がかった平野で、田圃たんぼと多少の高低のある沢地がだるく入り混っていた。
岡本かの子 / 東海道五十三次 ページ位置:67% 作品を確認(青空文庫)
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平地・平野
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前後の文章を含んだ引用
......一度は藤川から出発し岡崎で藤吉郎の矢矧やはぎの橋を見物し、池鯉鮒ちりうの町はずれに在る八つ橋の古趾を探ねようというのであった。大根の花もさやになっている時分であった。  そこはやや湿地がかった平野で、田圃たんぼと多少の高低のある沢地がだるく入り混っていた。畦川が流れていて、濁った水に一ひらの板橋がかかっていた。悲しいくらい周囲は眼をさえぎるものもない。土地より高く河が流れているらしく、やや高い堤の上に点を打ったように......
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