この町で外に出たところでたかが知れている。三日も続けて外出すれば、必ず昨日会った誰かと再会する。実際、録画された映像を、繰り返し流しているような町なのだ。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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単調な風景
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前後の文章を含んだ引用
......二十歳になる息子に彼女がいないことを、彼女は「ひきこもり」という「流行もの」の言葉を使って、自分や世間を納得させているらしい。 水谷の息子を庇うわけではないが、この町で外に出たところでたかが知れている。三日も続けて外出すれば、必ず昨日会った誰かと再会する。実際、録画された映像を、繰り返し流しているような町なのだ。そんな町より、パソコンで広い世界に繋がっていたほうが、よほど刺激的に違いない。 この日、早目の昼食を終えてから、夕方の休憩まで三組の客があった。うち二組は年配の......
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単調な風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
平凡な五十三次風 な景色
有島武郎 / 或る女
歩いても歩いても景色は変わらない。まるでスローモーションのような景色。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
坂は、まだまだ続いていた。どこまで続くのだろうと、心配になるくらい長い坂だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
何にも交わらないで、自分を境に空と海を分けている水平線。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
どの花も秋の日射しを受けて眩しいほどに輝いている。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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