TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 言葉につかえる・言葉を探す
こうなってくると何をいうても、直ぐそこへ持ってくるので話がゆきつまってしまう。二人の内でどちらか一人が、すこうしほんの僅かにでも押が強ければ、こんなに話がゆきつまるのではない。お互に心持は奥底まで解っているのだから、吉野紙を突破るほどにも力がありさえすれば、話の一歩を進めてお互に明放してしまうことが出来るのである。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
言葉につかえる・言葉を探す
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......児供でもない。解ってはいるけど、わざと戯れの様に聞きなして、振りかえって見ると、民子は真に考え込んでいる様であったが、僕と顔合せて極りわるげににわかに側 を向いた。 こうなってくると何をいうても、直ぐそこへ持ってくるので話がゆきつまってしまう。二人の内でどちらか一人が、すこうしほんの僅かにでも押が強ければ、こんなに話がゆきつまるのではない。お互に心持は奥底まで解っているのだから、吉野紙を突破るほどにも力がありさえすれば、話の一歩を進めてお互に明放してしまうことが出来るのである。しかしながら真底からおぼこな二人は、その吉野紙を破るほどの押がないのである。またここで話の皮を切ってしまわねばならぬと云う様な、はっきりした意識も勿論ないのだ。......
ここに意味を表示
言葉につかえる・言葉を探すの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
もし、陣治がこのまま帰ってこなければ、自分はいったい――。《…略…》いったい、の後の空白が埋まらない。言葉が浮かばない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
これは、あれだ、と轟は言って、つかえた。言葉を探している。四十を過ぎているようには見えるが、頭の中で言葉を必死に搔き集めている様子は、どうにも貫禄がない。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
このカテゴリを全部見る
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
急激なせつなさに襲われたようだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
抑えようのない、彼女自身の愛が苦しかった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
その女子大学生を、彼は、自分の前方にかかっている虹のように空想した。
伊藤 整 / 氾濫 amazon
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
彼の声、彼の仕ぐさ、彼の熱さが昭子の魂の一番感じやすい部分にキンキンと響いて躍動する。心は酔いしれて、この世にこんなすばらしいことがあっていいものか、とさえ思う。
阿刀田 高 / 狂暴なライオン「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
心が責めて責めて責めぬかれるような恋愛の残虐な力
有島武郎 / 或る女
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
「まあ、カウンセリングというのがどういう手順で行われるのか俺にはさっぱり分からないがね、ただ、物を盗むのと似ているのかもしれない。部屋の中に隠された現金を探すのと、ここにあるものを引っ張り出すのは似ている」そう言って黒澤は自分の頭を人差し指で突ついた。 「そこで胸を指差さないのが、いかにも君らしい」
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
一緒に食事をしていた坂本がそこで口を開いた。まるで洞窟の入り口を塞いでいる重い岩をどかせるみたいにおずおずと。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
気の抜けた風船玉のような返事
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
言葉を交わす の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ