月は西の空まで白い波のように長く拡がっている雲の端に隠れ、ちょうど月を隠している雲の端は、内から洩れ出る輝きに光を噴き出しているかのように見える。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:94% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
月の光・月明かり
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......びながら歩いて行った。 雲が出始めていた。冷気は重味を加えて夜空に満ちている。家々の屋根や白い二階家屋の壁土や窓の冴えた輝きが時々煙るように仄かに色を薄めると、月は西の空まで白い波のように長く拡がっている雲の端に隠れ、ちょうど月を隠している雲の端は、内から洩れ出る輝きに光を噴き出しているかのように見える。深見進介は、木山省吾や永杉英作や羽山純一達が、彼のうちに投げ入れ、そして彼等と別れてひとりになってからも、なおも生き生きと彼等のそれぞれの体温をつけているような......
ここに意味を表示
月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
月が数々の葉末を剣のように光らす
大岡 昇平 / 野火 amazon
このカテゴリを全部見る
「空・中空」カテゴリからランダム5
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
同じカテゴリの表現一覧
空・中空 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ