どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐 れた根性が、心の隅に巣喰った。
太宰治 / 走れメロス ページ位置:61% 作品を確認(青空文庫)
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諦める
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前後の文章を含んだ引用
......王の思う壺 だぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎 えて、もはや芋虫 ほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐 れた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ......
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べては失われてしまったものなのだと僕は考えるようにつとめた。すべては失われたものだし、失われつづけるべき筋あいのものなのだ。損われてしまったものをもとどおりにすることは誰にもできない。地球はそのために太陽のまわりを回転しつづけているのだ。 僕に必要なのは結局はリアリティーなのだと僕は思った。地球が太陽のまわりを回転し、月が地球のまわりを回転している、といったタイプのリアリティーだ。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
やれやれ、と僕は思ったが、文句は言わずに着がえをした。何を言ったところで僕のいつものあたたかい汚れにみちた平和な休日が盆に載って戻ってくるわけではないのだ。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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幻滅が、再び季節風のように心に吹いて来た
林 芙美子 / 風琴と魚の町/清貧の書 amazon
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