静けさは大体比島の午睡の時間のそれを思わせた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂
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前後の文章を含んだ引用
......ては依然として静かであった。 左手の最も近い一軒の家が汚い横側を見せ、屋根が傾き、木の階段に階が欠けていた。棒が揚戸を支えた窓の内部にも、動くものはなかった。 静けさは大体比島の午睡の時間のそれを思わせた。しかし今は比島人でも活溌に動く朝である。と私は感じた。 私はその家に駈け寄り、階の欠けた階段を飛び上って、踏み込んだ。空であった。隅におかれた一つの櫃は蓋が開き......
単語の意味
午睡(ごすい)
午睡・・・昼寝。昼間にちょっと眠ること。
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髪の毛が落ちる音さえ聞こえそうなほどシンとする
内館 牧子 / あしたがあるから amazon
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その人を嫌いでなくって、愛情が残っているんだから。干した洗濯物におひさまの匂いがするみたいに、いい匂いだけが残ったんだから。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
波の響き交わしが、潮のように押し寄せる軍勢に囲まれた城の光景を思い起こさせる
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帽子の縁にたまった雨水が滝のような音で落ちる
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