(遠くから聞こえる音楽)外気の中に立つと、音楽の響きは家の中にいたときよりさらにくっきりとした。メロディーを聞き取ることはできないが、リズムの調子からギリシャの音楽であることはわかる。その音には、生の楽器特有の鋭角的で不揃いな響きがあった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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音楽
遠くの音
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......ないし、そこに住んでいるのは修道院の禁欲的な僧侶たちと、ひとにぎりの羊飼いだけだ。彼らがこんな時間にみんなで集まってにぎやかな祭りをするとは考えられなかった。 外気の中に立つと、音楽の響きは家の中にいたときよりさらにくっきりとした。メロディーを聞き取ることはできないが、リズムの調子からギリシャの音楽であることはわかる。その音には、生の楽器特有の鋭角的で不揃いな響きがあった。スピーカーから流されているできあいの音楽ではない。 そのころにはもう、ぼくの頭ははっきり覚めていた。夏の夜は心地よく、そして神秘的な深みをもっていた。すみれの失......
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音楽の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
レコードはどれも古く盤面は傷だらけだったが、少くとも無価値ではなかった。音楽は思想ほど風化しない。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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遠くの方で犬の鳴く声が聞こえた。まるで別の世界の入口から聞こえてくるような小さなかすんだ鳴き声だった。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
水の底から発せられたもののように重い響きを伝える声
高井 有一 / 北の河 amazon
何処か遠いところで一声、急に、鋭く、長い尾を引っぱって汽笛が鳴った
宮本百合子 / 伸子
小屋に灯がともるように音楽がはじまる
五木寛之 / 海を見ていたジョニー amazon
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