雪の飛沫 から小さな虹が輪になって出滅する。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:39% 作品を確認(青空文庫)
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水しぶき
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......墜された雪の塊が、船の間にしきりに流れて来る。それに陽がさすと窈幻 な氷山にも見える。こんなものの中にも餌 があるのか、烏が下り立って、嘴 で掻 き漁 る。 烏の足掻 きの雪の飛沫 から小さな虹が輪になって出滅する。太鼓の音が殷々 と轟 く。向う岸の稲荷 の物音である。 私は一人になって火鉢に手をかざしながら、その殷々の音を聞いていると、妙にひしひしと寂しさが身に迫った。娘の憂愁......
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粘っこいような春の海が薄緑にひろがる
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
砕けた氷を混ぜ合わす海が、すさまじい歯軋りを繰り返す
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
見えない天の川の水もそのときはゆらゆらと青い焔 のように波 をあげるのでした。
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
やがて沖のほうから暮れ始めて、周囲は無窮の暗黒となる。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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まるく浮かんでは消えてゆく湯気
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
戦争のように追いつ追われつする砂ほこり
夢野久作 / ドグラ・マグラ
寒さのために凍り果てて、触れ合えば石のように音を立てる
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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