白魚は一見、中華料理の羹のように、雑然として、かつ、トロトロしている。
獅子文六 / 食味歳時記 作品を確認(amazon)
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白魚
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単語の意味
羹(あつもの・かん)
雑然(ざつぜん)
白魚・鱠残魚(しらおう)
羹・・・魚や肉、野菜などが入った熱い吸い物。
雑然・・・いろいろなものが交じり合って整ってないさま。「然」は他の語の後ろに付いて、状態をあらわす字。
白魚・鱠残魚・・・シラウオ科の近海魚。体は半ば透き通り、小形でほっそりしている。春先、河口をさかのぼって産卵する。味は淡白。死亡すると白く変色するのが名前の由来。
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白魚の味、おいしさを伝える表現・描写(魚類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二月初めの白魚には一緒に新海苔がくっ付いてくるが、これが何とも香りがよくていい風情
宮尾登美子 / 菊亭八百善の人びと amazon
舟に辛口の熱燗をつめた魔法瓶と辛子酢味噌のどんぶり鉢をのせて湖に繰りだし、少し膚寒い朝風のなかで、網からあげたてのピチピチ跳ねる白魚を茶漉しでしゃくってどんぶり鉢へあける。白魚は辛子酢味噌のなかでは跳ねない。ふれたとたんに一瞬でおとなしくなってしまう。透明な「一寸」の体に黒い眼をまじまじ瞠ったまま息絶える。それをつるつるとすするのだが、コリコリした歯あたりと、ほのかなホロ苦みであるきりで、生臭さも、肉らしい味も、何もなかったと記憶している。
開高 健 / 最後の晩餐 amazon
白魚はピンピン生きている。それに橙酢をかけて、直ちに食する方法を教えられて、試みてみたら、口中で跳ね躍り、喉チンコのあたりを擽(くすぐ)る不気味さに一度で辟易した。
獅子文六 / 好食つれづれ草 (1969年) amazon
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「魚類」カテゴリからランダム5
から揚げ、煮つけ、照り焼きなどして食すが、小骨が多く、特別美味というほどでない。
楠本 憲吉 / たべもの歳時記 amazon
スーパーのうなぎは、確かにハシで皮が切れない。切れないどころか引っぱるとゴムのように伸びる。 身のほうも、嚙むとコキコキした筋肉のような歯ざわりがある。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
鰻を佃煮にするとこれは佃煮の中での王者の感じがする
吉田健一 / 私の食物誌 amazon
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