頭が海の中にかくれ、声は途絶え、それからまた、波にもまれた黒いごみのようにぽっかりと姿を見せ、前よりももっと力のなくなった声が、途切れ途切れに何かを叫んでいた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
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溺れる
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......えた。「我等の祈りを……聞きたまえ」 小舟から体をのりだして、役人たちは白い歯をみせて笑い、その一人は槍を持ちなおして、小舟に近づこうとするガルペをからかった。頭が海の中にかくれ、声は途絶え、それからまた、波にもまれた黒いごみのようにぽっかりと姿を見せ、前よりももっと力のなくなった声が、途切れ途切れに何かを叫んでいた。 役人が信徒の一人を舟ばたに立たせ槍の柄で勢いよく押した。まるで人形のように薦に包まれた体は垂直に海に消えていった。続いてあっけないほどの早さで次の男が落下した......
単語の意味
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
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頭が海の中にかくれ、声は途絶え、それからまた、波にもまれた黒いごみのようにぽっかりと姿を見せ、前よりももっと力のなくなった声が、途切れ途切れに何かを叫んでいた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
悲鳴とも怒号ともつかぬその声は、黒い頭が波間にかくれると共に消えた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
頭だけが難破した舟の木片のようにしばらく漂っていたが、舟のたてた波が間もなく覆ってしまった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
一心不乱に動かす手足と同じほどの忙 しさで、目と鼻ぐらいの近さに押し迫った死からのがれ出る道を考えた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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はねるように立ち上がって
有島武郎 / 或る女
「なるほど」二秒ほど置いてから僕は相槌を打った。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
身体を揺り上げるようにして笑った。
岡本かの子 / 雛妓
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