午後から曇り始めて、まっ白な雲が太陽の面をなでて通るたびごとに暑気は薄れて、空いちめんが灰色にかき曇るころには、膚寒く思うほどに初秋の気候は激変していた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:12% 作品を確認(青空文庫)
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曇り空・曇天
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前後の文章を含んだ引用
......で心細うござんすから……よくって」 古藤は何か平凡な返事をして、縁板を踏みならしながら出て行ってしまった。 朝のうちだけからっと破ったように晴れ渡っていた空は、午後から曇り始めて、まっ白な雲が太陽の面をなでて通るたびごとに暑気は薄れて、空いちめんが灰色にかき曇るころには、膚寒く思うほどに初秋の気候は激変していた。時雨 らしく照ったり降ったりしていた雨の脚 も、やがてじめじめと降り続いて、煮しめたようなきたない部屋 の中は、ことさら湿 りが強く来るように思えた。葉子は居留地のほう......
単語の意味
初秋(しょしゅう・はつあき)
肌寒・膚寒(はださむ)
初秋・・・秋の初めごろ。新秋(しんしゅう)。陰暦7月の異名。孟秋。
肌寒・膚寒・・・秋が深まって、肌に少し寒さを感じること。秋冷え。
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気味の悪い雲
林芙美子 / 新版 放浪記
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突然あたりが紗をかけたように薄暗くなった。視線を上げると、いつの間にか新しい雲が現れて太陽を覆っていた。《…略…》再び光が戻り、目の前が白く露光していった。浅倉は眩しさに一瞬目を細めた。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
(部屋の中に)ほんの少しだけ光が入ってくるはりぼての中で暮らしているような気分だった
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
曇っているせいか、昼間だというのに南側のマンションの窓の幾つかに灯りが点っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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