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(空き家に入る)主のいない家は沈黙していた。電気もガスも切れていることが空気を通して分かるような、そんな生命感のなさが感じられた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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空き家
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......りしたマンションが建っている。家が密集しているように見えて、意外に人の耳から離れている。「どうぞ、入って」 ドアを押さえる杏子の横を、雪見は中へと進み入った。 主のいない家は沈黙していた。電気もガスも切れていることが空気を通して分かるような、そんな生命感のなさが感じられた。 入って左側にあるドアがトイレで、その奥が洗面所と風呂場になっている。右側はキッチンとリビング……いわゆるLDKだ。和室もそちら側にある。二階に上がる階段は中央......
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すごく大きなビルなんだ。新宿の西口に建っているようなやつさ。
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