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矛盾する記憶と記憶が十和子のなかでようやく一連の流れとしてつながりかけている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:49% 作品を確認(amazon)
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点と点が線で繋がる 失われた記憶がよみがえる
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......ご夫婦ということですね」 玄関の手前で、たいした興味もなさそうにきいてくる。「ええ、まあ」「そうですか、失礼しました」 酒田を送り出してドアを閉ざしたときには、矛盾する記憶と記憶が十和子のなかでようやく一連の流れとしてつながりかけている。 あのとき、切ろうとした電話から突然女の声が聞こえた、そうだった、それが変えようのない現実なのだ。黒崎の声のかわりに、黒崎を呼ぶ女の、切迫した声が聞こえた。 も......
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(思い出の本をきっかけに失われた記憶がよみがえる)母は、前の夫と別れてそれが秋ごろで、飲んで泣いて純子さんを困らせて、その後純子さんがうちに 居候 するようになって……。  言葉にするとそういう感じの、でもそれはこんなふうにあらすじでおえるようなものでなく、もっとたくさんの、言葉ではなくてある種の情報の洪水だった。あるデーターを封じていたのに、何かの手違いでまとめて呼び出してしまったような塊が、まとめてどかんと入ってきた。  私は動揺した。なんでこんなきっかけでこんなことになってしまうのだろう?  それらはどんどん流れを作り、筋道にそってあっという間に並べかえられてひとつの物語を作ろうとしていた。その処理は勝手にどんどん行われ、私はただ見ているしかなかった。それが何を創るのか。  私、という物語、自分史、といわれているもののもっと高度で、もっと 完璧 なもの。完成されていて丸くて立体で、私の情の入る 隙間 もないほど厳密なもの。  大きな渦巻き、まわりじゅうの人々や、出来事を海みたいに取り込んで、満ちて引いて私独自の色に染め抜かれた世界に一つしかない、あるいは皆と共通の一つのシルエットを 創る流れのらせんを感じた。  アンドロメダみたいによく知っていて、きれいで遠い姿をしていた。  そして、本から目をあげると。  ありとあらゆるものが、歴史をたたえてそこに存在していた。  さっきまでとは、世界が違ってみえた。  私の記憶の欠けていた所が戻ってきたということなのだろうか。  私は声に出してそう言ってみたけれど、何よりもさっきまでそういうのが思いだせない、混乱していた部分を自分が持っていたというのがもう感覚としてわからなかった。  ただ、何一つ変わっていないように見える部屋のものが、突然ひとつひとつ別のデーターを表現しているように感じられた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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彼らのつくるワインのことを自分の家の間取りみたいに心得ているの。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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