遠くの遊郭のほうから、朝寝のできる人たちが寄り集まっているらしい酔狂のさざめきだけがとぎれとぎれに風に送られて伝わって来る。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:70% 作品を確認(青空文庫)
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遠くの音
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前後の文章を含んだ引用
......外ではさらさらと音を立てて霰 まじりの雪が降りつづけている。七時というのにもうその界隈 は夜ふけ同様だ。どこの家もしんとして赤子の泣く声が時おり聞こえるばかりだ。ただ遠くの遊郭のほうから、朝寝のできる人たちが寄り集まっているらしい酔狂のさざめきだけがとぎれとぎれに風に送られて伝わって来る。 「おらはあ寝まるぞ」 わずかな晩酌 に昼間の疲労を存分に発して、目をとろんこにした君の父上が、まず囲炉裏のそばに床をとらして横になる。やがて兄上と嫂 とが次の部屋 ......
単語の意味
酔狂(すいきょう)
さざめき
酔狂・・・1.物好き。普通の人が余り好まないものを好むこと。また、そのような人。
2.酒に酔って普通でなくなること。酔っ払って理性を失うこと。
2.酒に酔って普通でなくなること。酔っ払って理性を失うこと。
さざめき・・・ざわざわと騒ぐこと。にぎやかに騒ぎ立てること。さんざめき。
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遠くの遊郭のほうから、朝寝のできる人たちが寄り集まっているらしい酔狂のさざめきだけがとぎれとぎれに風に送られて伝わって来る。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
犬がしきりに 吠える声が雑木林を通して聞えてきた
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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ジョギング・シューズのゴム底が、小石を踏みつけるたびに不自然に誇張された音を立てていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
夜の塵に覆われたまま静まりかえっている路地に、私たちの足音だけが高かった
三浦哲郎 / 忍ぶ川 amazon
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