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デパートは 混み合っていた。人いきれで汗ばむほどだった
向田邦子 / りんごの皮「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:26% 作品を確認(amazon)
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混雑している・雑踏・人混み
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前後の文章を含んだ引用
......人間だから、恐らくあのことは女房にも言ってはいないだろう。そう思いながら、時子はゆっくりと時を稼ぎながら、デパートの中を歩いていた。 年の暮が近いせいであろう、デパートは混み合っていた。人いきれで汗ばむほどだったが、時子は外套を脱ぐのも億劫だった。さまざまな色や形が廻りで揺れ動いていた。さまざまな音楽やことばが、子供の泣き声が飛び交っていた。時子にはすべて縁のないもので......
単語の意味
人熱れ(ひといきれ)
人熱れ・・・たくさん人が集まったときに感じる、体から熱気やにおいによる不快感。
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黒山のような人だかり。
林芙美子 / 新版 放浪記
ベランダの下には、芋をもむような人の頭
林芙美子 / 新版 放浪記
勤め人の群れが、同じ思想と同じ目的を持っている人形のように
伊藤 整 / 氾濫 amazon
岡本かの子 / 巴里祭
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円顔に近かった彼の顔は、いまでは長形というよりもむしろ瓢簞形の無性格な輪郭を形づくっている。のびやかな顔の肌は失われ、額や頰のくぼみには疲労の跡がたまっている。もっとも三十前後から日本の小市民達の顔の上に現われるあの金銭に対する執着に原因した卑しさはそこにはなかったが、判然とした自分の思想を持ち得ず、あらゆるものを断片的に受け入れてきたもののあの無気力の汚さがただようていた。そして学生時代のあの知識に対する貪欲を証明する美しい眼の輝きはなくなってしまっている。これは一言にして言えば疲れた顔である。肩は張り、骨はごつごつし、以前の柔弱な体つきを全く変えてしまっていた。しかしそれでいて、どことなくよどんだ空気が彼のまわりをとりまいている。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
青い顔で、罪人のようにうなだれる
源氏 鶏太 / 家庭の事情 (1963年) amazon
雨に濡れて尾を垂れた野良犬よりも哀れ
藤本 義一 / 標的野郎(ターゲット・ガイ) amazon
白い紙片が風に吹かれて路上を転がって行くような後ろ姿
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
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人々が絶え間なく行き交っている。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
先を争う人間がひと塊になって、泥をかくようにしてなだれ寄る
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
(部屋探しの内見)遺跡みたいにがらんとしたところ
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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