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金属の何かを、小さい槌ででも叩いているらしい、澄み渡ったカン、カンカンカンという連続的な音で、だんだん伸子は眼を醒した。人の手先が細かに動いて発するその音には濃やかさがあり、その音のために却って朝の閑寂が増すようであった。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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静けさ・静寂
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前後の文章を含んだ引用
......るところに戻ると、父が機嫌よく冗談を云った。 「やっとお出ましだね、大分内証話があったと見えるな」  伸子は次第にくつろぎと楽しさが心や体にしみこむのを感じた。  金属の何かを、小さい槌ででも叩いているらしい、澄み渡ったカン、カンカンカンという連続的な音で、だんだん伸子は眼を醒した。人の手先が細かに動いて発するその音には濃やかさがあり、その音のために却って朝の閑寂が増すようであった。伸子は、響の工合で、外は晴れているのを知った。  今頃は、佃が何をしている時分だろう。一夜明けた今朝は、自分の帰って来た意識が鮮やかに迫って彼女は淋しい心持がした......
単語の意味
手先(てさき)
閑寂(かんじゃく・かんせき)
手先・・・1.手の先。手の先端部分。指先。また、手や指の使い方。
2.力のある人の言いなり働く者。手下となって使われる者。手下。
3.部隊の先頭。先頭の兵。先鋒(せんぽう)。
4.江戸時代、町奉行配下の同心の下働きをした者のうち,無給の者。目明かし。 おかっぴき。
5.兜(かぶと)の吹き返しの前方のこと。
6.雁股(かりまた)の鏃(やじり)の先端。
閑寂・・・閑(しず[=静])かで、寂しいこと。ひっそりとして落ち着いていること。騒がしい俗世間から遠く離れていて、ひっそりと静かなさま。「閑」は訓読みで「しず(か)」と読める。
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